デイビッド・マクフェイル 作
ある国の、あるところの地下に、もぐらが住んでおりました。
楽しい毎日を送っていましたが、なんだかもの足りないなあ、と感じていました。
そんなある日、テレビから流れる、美しいバイオリンの音色を耳にしました。
もぐらは今まできいた音の中で、もっとも美しい音だと思いました。
僕もあのように美しい音を奏でてみたい。
もぐらは手紙を書いてバイオリンを注文しました。
ずっとずっと待ちわびて3週間。ついにバイオリンが届きました。
もぐらはよろこんで、弾きましたが、大変ひどい音で、
テレビで聞いた美しい音とは、全く違います。
それでも引き続けていくうちに、1つの音を弾けるようになりました。
一週間後、2つ、3つと弾ける音が増えました。
一ヶ月後にはドレミファソラシドが弾けるようになりました。
もぐらは毎日毎日練習を続けました。
何年もの月日が過ぎました。
どんどんじょうずに弾けるようになりました。
もぐらは幸せでした。
もぐらは誰かのためにきかせることを考えました。
自分の音楽が人の心に届き、
怒りや、悲しみをとかしてしまうことさえ
思い浮かべました。
僕の音楽が世界を変えるかもしれない。
いやいや、誰も、聞いたことさえないのに。
もぐらはバイオリンをおろして
眠りにつきました。
そして美しく平和な夢をみたのです。
※ ※ ※
街中やテレビで流れる音楽を聴いて、
私もこの曲が弾けるようになりたい、
と思った方にとって
私たちのピアノ教室が、
その入口になればうれしい、
と思い、日々続けています。