2016年12月21日水曜日

『もぐらのバイオリン』

    デイビッド・マクフェイル 作


ある国の、あるところの地下に、もぐらが住んでおりました。
楽しい毎日を送っていましたが、なんだかもの足りないなあ、と感じていました。

そんなある日、テレビから流れる、美しいバイオリンの音色を耳にしました。
もぐらは今まできいた音の中で、もっとも美しい音だと思いました。

僕もあのように美しい音を奏でてみたい。
もぐらは手紙を書いてバイオリンを注文しました。

ずっとずっと待ちわびて3週間。ついにバイオリンが届きました。

もぐらはよろこんで、弾きましたが、大変ひどい音で、
テレビで聞いた美しい音とは、全く違います。

それでも引き続けていくうちに、1つの音を弾けるようになりました。
一週間後、2つ、3つと弾ける音が増えました。
一ヶ月後にはドレミファソラシドが弾けるようになりました。

もぐらは毎日毎日練習を続けました。

何年もの月日が過ぎました。

どんどんじょうずに弾けるようになりました。
もぐらは幸せでした。

もぐらは誰かのためにきかせることを考えました。
自分の音楽が人の心に届き、
怒りや、悲しみをとかしてしまうことさえ
思い浮かべました。

僕の音楽が世界を変えるかもしれない。

いやいや、誰も、聞いたことさえないのに。

もぐらはバイオリンをおろして
眠りにつきました。

そして美しく平和な夢をみたのです。


※ ※ ※


街中やテレビで流れる音楽を聴いて、
私もこの曲が弾けるようになりたい、
と思った方にとって

私たちのピアノ教室が、
その入口になればうれしい、
と思い、日々続けています。